LoadMaster 負荷分散ハードウェア: 機能説明

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企業は、アプリケーションや Web サービスを常にオンラインで高いパフォーマンスを維持した状態にしておく必要があります。これは、外部の顧客向けサービスだけでなく、社内スタッフ、B2B パートナー、サプライチェーン内の企業が使用する内部業務システムにも当てはまります。可用性や一般的なパフォーマンスに加えて、アプリケーションは変化する需要やトラフィックパターンにも対応できなければなりません。

負荷分散 (ロードバランサー) は、企業が必要とする稼働時間、パフォーマンス、適応性を実現するために不可欠な技術です。最近では仮想化、クラウド、マイクロサービスへの移行が顕著ですが、アプリケーション配信インフラを設計し、展開するにあたって、ハードウェアベースの負荷分散ソリューションは依然として利用可能であり、最適な選択肢になり得ます。

プログレスは、専用ハードウェアを含むすべての導入モデルにおいて、負荷分散技術の分野で世界的なリーダーであり続けています。世界中で10万件以上の導入実績を持ち、Gartner Peer Insights では 4.9/5、G2 のレビューの負荷分散部門では 4.7/5 の評価を獲得しています。

LoadMaster 負荷分散ハードウェアとは?

ハードウェア LoadMaster ロードバランサーは、ラックマウント可能な専用設計のサーバーグレードアプライアンスです。企業向けサーバーと同等の高信頼性・高性能・高耐久性を備えたハードウェアであり、データセンターなどの厳しい環境でも安定して稼働するよう設計されています。TLS/SSL オフロード、コンテンツスイッチング、URL 書き換え、圧縮などの機能を備え、セキュアかつ高可用性のプラットフォームとして、高度で高性能な負荷分散およびアプリケーション配信ソリューションを提供します。また、導入や管理も容易です。

LoadMaster アプライアンスは、ネットワークの入出力トラフィックのルーティングと配信をより効率的に最適化するよう設計・構築されており、高速なセッションルーティングが求められるシナリオに最適です。数千の接続を同時に処理でき、高いパフォーマンスを実現するギガビット級のスループットを提供します。

これらのハードウェアアプライアンスは、LoadMaster プラットフォームのすべてのバージョンで共通のコードベースを使用しており、ソフトウェア版と同じ機能セットを備えています。ネットワーク状況の変化、サーバー負荷、計画的または予期しないアプリケーションサーバーの停止に関係なく、一貫したアプリケーション配信が可能になります。高度なレイヤ 4-7 負荷分散Web アプリケーションファイアウォール (WAF) や SSL オフロードを含む強力なネットワークセキュリティ機能も備えています。

LoadMaster ロードバランサーの主な機能

前述のように、LoadMaster のアプライアンスは、ハードウェア、仮想、クラウドに共通の機能セットを備えています。詳細は、機能リストのページをご参照ください。LoadMaster のデータシートは、リソースページからダウンロードできます。または、こちらから直接 LoadMaster ハードウェアアプライアンスのデータシートをダウンロードすることもできます。ハードウェア LoadMaster 製品リストは、こちらの Web ページでチェックできます。

LoadMaster 負荷分散ハードウェアアプライアンスの主な機能は次の通りです。

高度なアプリケーション配信機能 - LoadMaster 製品は、 コンテンツスイッチング、URL書き換え、幅広いアルゴリズムを使用したインテリジェントなトラフィックルーティングなどを通じて、洗練されたアプリケーション配信を実現します。

高可用性 - LoadMaster ロードバランサーは、アクティブ/パッシブクラスタリングやアプリケーションと Web サーバーのリアルタイムヘルスチェックを通じて、アプリケーションと Web サービスの高可用性を支援します。LoadMaster ソリューションは、サーバーの停止やパフォーマンスの問題を検出し、アクセス要求を自動的に他のサーバーへルーティングします。

グローバルサーバー負荷分散 (GSLB) - Enterprise Plus サポートサブスクリプションで、LoadMaster の GSLB 機能が有効になります。グローバルサーバー負荷分散 (GSLB) は、地理的に分散したサーバー拠点間でトラフィックをルーティングすることで、複数のデータセンターやクラウド環境におけるレジリエンスを提供します。複数のデータセンターが存在する環境において、ハードウェア、仮想、クラウドのどの組み合わせであっても、ある地域内の各地点や世界全体規模での様々なロケーションまで、アプリケーション配信の負荷分散を行います。あるデータセンターに障害が起きた場合、事前定義されたポリシーに基づいて、物理的に最も近い最適なデータセンターにトラフィックがリダイレクトされ、手動介入の必要なく中断の影響を最小限に抑えることができます。

セキュリティ機能 - LoadMaster ソリューションには、組織のセキュリティ体制を強化する複数の機能が含まれています。このトピックについては、無料でダウンロードできるホワイトペーパー「負荷分散実行レベルでのセキュリティ統合」で詳しく説明しています。LoadMaster ハードウェアアプライアンスで利用可能なセキュリティ機能 (Enterprise または Enterprise Plus サポートサブスクリプションが必要な機能を含む) には、次のようなものがあります。

  • TLS/SSL オフロード - ネットワーク上を移動するトラフィックの暗号化は非常に重要ですが、暗号化や復号処理はアプリケーションや Web サーバーに大きな負荷をかける可能性があります。LoadMaster ロードバランサーは、これらのサーバーの前段に配置され、TLS/SSL 処理 (オフロード) を代行することで、アプリケーションや Web サーバーのリソースをアプリケーションやコンテンツの配信に集中させることができます。LoadMasterハードウェアアプライアンスの場合、仮想アプライアンスにはない利点として、X25-NG とそれより高度の LoadMaster ハードウェアモデルには、TLS/SSL 処理を高速化するハードウェアアクセラレーション機能が統合されています。
  • 強力な認証機能 - LoadMaster は、Active Directory、RADIUS、SAML、多要素認証ソリューションとの統合など、高度な認証機能を備えています。また、ロールベースアクセス制御 (RBAC) をサポートしており、管理者やエンドユーザーに適切なアクセス権限を付与することで、不要な権限による誤操作や悪意ある行動のリスクを低減します。これらの強力な認証機能は API アクセスにも適用され、LoadMaster はトラフィックの検査、入力の検証、未承認アクセスのブロックによって API を保護します。詳細は LoadMaster 360 をご覧ください。
  • Web アプリケーションファイアウォール (WAF) - LoadMaster ソリューションには、業界で高く評価されている ModSecurity ベースの WAF が含まれており、OWASP Top 10 に代表される一般的および新たな脅威に対する保護を提供します。WAF のレピュテーションデータは毎日更新され、新たなアプリケーションの脆弱性にも迅速に対応できます。各組織には独自のアプリケーションランドスケープがあるので、展開ごとに個々のアプリケーションのカスタムルールを設定することもできます。Enterprise Plus サポートサブスクリプションで、LoadMaster の WAF 機能が有効になります。
  • エッジセキュリティパック (ESP) - エッジセキュリティパック (ESP) は、Microsoft Threat Management Gateway を使用して Microsoft アプリケーションを保護していた組織向けに提供されるソリューションです。ESP には、事前認証、シングルサインオン (SSO)、LDAP/RADIUS統合、二要素認証が含まれています。
  • ゼロトラストセキュリティモデル対応 - LoadMaster ロードバランサーは、ネットワーク部門でゼロトラストセキュリティモデルを導入する際に役立ちます。ユーザーやデバイスの識別を検証する手段を提供することで、未承認アクセスのリスクを最小限に抑えることができます。詳細については、 ゼロトラストアクセスゲートウェイ (ZTAG) をご覧ください。

一貫性のあるユーザーインターフェース - LoadMaster ハードウェアは、仮想アプライアンスやクラウドと同様、直感的で一貫性のある UI、PowerShell ベースの CLI、RESTful API を備えています。管理者はすべての LoadMaster 展開において、同じ操作知識を活用することができます。

LoadMaster 負荷分散ハードウェア導入のメリット

LoadMaster 負荷分散ハードウェア (ソフトウェアバージョンも同等ですが) は、様々な導入環境に対応したアプリケーション配信およびセキュリティ機能を提供します。既存のアプリケーションやセキュリティソリューションと統合でき、LoadMaster 導入でアプリケーションの提供と保護に必要なツールを手に入れることができます。

LoadMaster は、高度なセキュリティとパフォーマンスの最適化を組み合わせることで、あらゆる規模の組織のニーズを満たし、さらにそれを上回るソリューションを提供します。

  • アプリケーションパフォーマンスの向上 - LoadMaster ロードバランサーを導入してバックエンドのアプリケーションサーバーへのアクセスを管理することで、サーバーのリソースをより効率的に活用でき、ユーザーエクスペリエンスも向上します。
  • 稼働時間の最大化と計画的メンテナンス - GSLB を活用した広域での高可用性とフェイルオーバーを実現します。バックエンドサーバーを選択的にオフラインにすることで、業務時間中でもサービスを中断することなく、更新やメンテナンスを行うことが可能です。
  • セキュリティ体制の強化 - 認証サービス、業界トップクラスの WAF、TLS/SSL オフロードの統合により、複数の専用機器やソリューションを追加することなく、組織のセキュリティを強化できます。
  • 効率化による TCO の削減 - バックエンドサーバーに負荷をインテリジェントに分散することで、インフラの使用効率が最大化され、必要な容量が削減されます。トラフィックやアプリケーション利用状況に関するメトリクスは、ボトルネックや容量不足が発生する前にスケーラビリティを判断して適切な計画を行うのに役立ちます。
  • 運用のシンプルさ - LoadMaster の展開形態 (ハードウェアアプライアンス、仮想マシン、クラウド) に関わらず、すべて同じソフトウェアと管理インターフェースを使用しています。システム管理者は、オンプレミスのアプライアンスや仮想マシン、複数のパブリッククラウドを含むハイブリッド環境でも、1つのインターフェースと操作方法を習得するだけで済みます。

最後に

堅牢な負荷分散インフラストラクチャの導入は、アプリケーションや Web サービスの常時稼働に向けた戦略的な投資です。各組織にはそれぞれ異なるニーズがあり、負荷分散に求められる要件も一様ではありません。クラウドファーストが進む現代においても、オンプレミスのハードウェア導入が必要となるケースは少なくありません。LoadMaster ハードウェアアプライアンスは、小規模なワークグループ向けから中堅企業向け、そしてエンタープライズレベルの要件まで、あらゆるニーズに対応します。

LoadMaster は、数十年にわたるプロジェクト実績と、10万件以上のアプリケーション導入を通じて信頼を築いてきました。これらの実績は、要件を満たす導入がすでに多く行われてきたという事実を示しています。

LoadMaster ソリューションの詳細については、当社までお問い合わせください。 別のハードウェアロードバランサーを使用されている場合は、仮想 LoadMaster ロードバランサーを無料試用して比較してみることをお勧めします。

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Rochelle Wheeler

Rochelle Wheeler は、プログレスのインフラストラクチャ部門で、Kemp LoadMaster ロードバランサーを担当するグローバルデマンドジェネレーションマーケティング責任者です。20年以上にわたるマーケティングとプロジェクト管理の経験を持ち、特化型エージェンシーからフォーチュン500企業まで、幅広い企業のキャンペーンを立案・実行してきました。LinkedIn で彼女をフォローできます。