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グローバルサーバー負荷分散 (GSLB)

GSLB データシート

グローバルサーバー負荷分散とは?

グローバルサーバー負荷分散 (Global Server Load Balancing、GSLB) は、サービスリソース認識と DNS を活用し、定義されたロジックに基づいて、地理的に分散したデータセンターの間で最適なトラフィック誘導を行い、マルチデータセンターとマルチクラウドのレジリエンスを実現します。複数のデータセンターが存在する環境において、ハードウェア、仮想、クラウドのどの組み合わせであっても、ある地域内の各地点や世界全体規模での様々なロケーションまで、アプリケーション配信の負荷分散を行います。GSLB は、重大なリソース障害が発生した場合のシームレスなフェイルオーバーとフェイルバックを備えたマルチサイトのレジリエンスを提供します。あるデータセンターに障害が起きた場合、事前定義されたポリシーに基づいて、物理的に最も近い最適なデータセンターにトラフィックがリダイレクトされ、手動介入の必要なく中断の影響を最小限に抑えることができます。

クライアントトラフィックは、クライアントの場所と各場所の可用性に合わせて調整された、最高のパフォーマンスを提供できる場所に送信されます。トラフィックのリダイレクトは、EDNS (DNS の拡張メカニズム) を使用してさらに洗練され、ソースのサブネットに基づいてきめ細かく制御できます。

グローバルという名がついていますが、このサービスは、世界全体規模でなくても、複数のデータセンターが存在する一定の地域内でも適用できます。ディザスタリカバリが非常に重要である場合は、柔軟性に欠け、コントロールも難しい高価なホスト型ドメインネームサービス (DNS) を契約するよりも、費用対効果の高い代替手段です。

GSLB はどのように機能するか?

1.典型的な使用例

典型的には、GSLB は、GEO をアクティブ-アクティブ構成でデプロイし、地理的に離れた複数のエンドポイント間で、高可用性と最適なユーザーエクスペリエンスを提供します。

例えば、地理的に離れた 3 つの場所 (米国、ヨーロッパ、オーストラリア) でホストされているサービスに、世界中のクライアントが接続できる状況があるとします。各場所で実行されているそれぞれの Kemp GEO アプライアンスが協力して、特定の場所から接続するクライアントに「最高」のユーザーエクスペリエンスを提供するデータセンターを決定します。何が「最高」であるかは、GEO の設定パラメータによって定義されます。

これは、アクティブ-アクティブ構成と呼ばれ、すべてのエンドポイントが同時に動作し、必要なバックエンド データにアクセスできます。この場合、GEO は、各サイトでリアルタイムの負荷をアクティブに測定し、予測分析を採用して、マルチサイトインフラストラクチャ全体で最適なパフォーマンスとリソースのためにリクエストが分散されるようにします。必要に応じて、特定の場所への往復通信時間などを考慮して、特定のクライアントを特定のサイトに誘導するための追加のロジックを実装することもできます。

2. 災害復旧

GEO は、効果的なディザスタリカバリ (DR) ソリューションでもあり、複数のデータセンターが、アクティブ-パッシブ構成で展開されます。

  1. 通常の運用では、GEO はすべてのトラフィックをプライマリデータセンターに転送するように設定されます。
  2. 各ロケーションのすべての GEO は、ローカルの仮想サービスのヘルスチェックを行い、すべてのロケーションでステータスとパフォーマンス情報が共有されます。
  3. プライマリサイトに障害が発生し、セカンダリサイトが正常であると判断された場合、すべてのトラフィックをセカンダリのデータセンターに転送します。

セカンダリデータセンターまたはクラウドインフラストラクチャは、プライマリ本番環境へのバックアップとして使用されます。プライマリロケーションはアクティブにトラフィックを処理しますが、バックアップはアイドル状態でスタンバイします。GEO は、プライマリサイトに障害が発生したかどうかを判断し、セカンダリのサービスが運用可能で、必要なサービスの準備が整い、クライアントサービスのスムーズな移行を提供できるようになった場合にのみ、トラフィックをそのサイトに転送します。

3. 高可用性のための自動スケーリング

最後に、GEO は、アクティブ-アクティブ構成とアクティブ-パッシブ構成のどちらの場合も、パブリッククラウドへの拡張をコスト効率よく管理して、トラフィックが大量に発生する期間にオンデマンドのサービス拡張を提供するのにも役立ちます。

  1. プライマリデータセンターは、すべてではなく、あるレベルのアプリケーショントラフィックのみを処理します。
  2. 各ロケーションのすべての GEO は、ローカルの仮想サービスのヘルスチェックを行い、すべてのロケーションでステータスとパフォーマンス情報が共有されます。
  3. プライマリサイトでトラフィックの急増が発生していると GEO のヘルスチェックで判断された場合にのみ、セカンダリデータセンターにトラフィックを転送するように GEO を設定することで、トラフィック急増時のアプリケーションの可用性が維持されます。
  4. プライマリサイトのパフォーマンスに基づいて、必要な追加容量のみが消費されることになります。

単純な例として、 1つのオフプレミスのデータセンターが、ある時間内の80%ではすべてのアプリケーショントラフィックを処理できる場合を考えます。すべてのアプリケーションとインフラストラクチャがハードウェアと HyperV の組み合わせで実行されているとします。また、Amazon Web Services (AWS) や Azure などのパブリッククラウドに配置された2つ目のデータセンターがあり、アクティブ-パッシブ構成でスタンバイ状態になっているとします。

トラフィックがプライマリデータセンターの特定の負荷レベルまで上昇すると、GEO は アクティブ-アクティブ構成の場合のように、トラフィックをセカンダリデータセンターに転送し始め、追加の容量をバーストします。トラフィック量がプライマリデータセンターが管理できるレベルに戻ると、GEO はセカンダリデータセンターへのトラフィックの送信を停止します。

セカンダリデータセンターはパブリッククラウドに配置されているので、必要な場合にのみトラフィックをパブリッククラウドに転送することで、サービスコストを抑えながら、可能な限り最高のユーザーエクスペリエンスを提供することができます。

GSLB のさらなるメリット

  • GEO を展開し、レピュテーションデータを毎日更新することによって、セキュリティが強化できます。このデータ更新は、セキュリティリスクをもたらす既知の IP アドレスをブロックし、分散型サービス拒否 (DDoS) 攻撃やその他の脅威からアプリケーションを保護します。
  • GEO の直感的な API で、GEO を既存の IPAM およびドメインネームシステム (DNS) 管理ソリューションに簡単に統合できます。

GSLB の導入事例

ハリス郡地方検事局は、重要なリソース障害が発生した場合に、重要なアプリケーションに高可用性を提供し、レジリエンスを確保するために、グローバルサーバー負荷分散 (GSLB) 機能を備えたインテリジェントな負荷分散ソリューションを必要としていました。⇒ 続きを読む

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GSLB は、すべての LoadMaster ロードバランサーのサポートサブスクリプションの Enterprise Plus で利用できます。GEO は、スタンドアロンの仮想アプライアンスとしても使用できます。

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